花豆さん。お手紙拝受。僕の方もお返事遅くなってしまいました。すみません。
松山での展示の様子、素敵ですね。手拭いやzineの4コマ漫画『ぼく、おちくん』とはトーンが違って最近はやや写実的な描き方にシフトしてる印象があるのですが何かきっかけなどあったのでしょうか?
そして絵を描く手順。普段、絵を描かない人からすると普通の手順でさえも新鮮だと思います。しかも実際に描き手がその過程を説明してくれるなんて、なんかだそれはとても贅沢で幸せな時間な気がします。何だか夢のあることだと信じたくなるような気持ち。
松山には行った事がないですが、路面電車走る街は好きなのでいつか訪れてみたいです。
こちらは先日、気温が30度まで到達する日があり、その日は家族で近くの湖まで行きましたが大変な賑わいでした。いよいよこちらでも夏が来たかと思ったのですがその後は最高気温が17度とかで涼しい日や風が冷たい日に逆戻り。夏は一瞬だけやってきて、そして去ってしまったようです。
僕は僕でフルマラソンを走り終えたことですっかり気が緩んでしまったせいか、それとも新たに別の仕事も始めたせいか、はたまた庭の雑草や蔦との格闘に疲弊しているせいか全然走れておらず、そろそろ走らないとと思っていますがなかなか踏み込めないまま朝を迎える前にすやすやと寝ています。
仕事といえば中学生に社会を教える日々は、まだまだ試行錯誤中です。人数が多いクラスと少ないクラスでは反応が違うのでどうにかしてそれぞれでメリハリをつけられたらなと思っています。生徒さんたちは個性豊かで面白い半面、主に自分の至らなさもあって手を焼く部分もあったりします。飽きさせないって大変!
今の所こっそりレキシの曲を紹介したり、「『○○』という漫画とかアニメなどはこの時代を舞台にしてます」と折に触れて本や動画を紹介したりしています。どれか一つでも、誰か一人でも読んで、観て、授業で話した内容について関心を持ってくれたらなぁと願っていますが、興味を持たせる、関心を持続させるのに他に何かいい方法ないかなぁと考えあぐねています。
小泉さんは美術教師の資格をお持ちなんですね!すごい!でも「頭でっかちに考えすぎて」の部分わかる気がします。カリキュラムに沿った内容を教えるという事はそんなに得意ではなさそうというか、カリキュラムについて引っかかった事があった場合、それについて悶々としたり苦手なジャンルの事を説明する際に「自分はこれ苦手なのになーそれなのに教えていいのかなー」となっていたり、好きなジャンルのものを教える場面でも「あー勢い余ってつい喋りすぎたー!」と後から悶絶してたりしそうなどと思ったりしました。でもそういうのは大半は自分の中での出来事で、生徒さん的にはそれはそれで面白い先生だなと受け止められてそうなんですけどね(それに生徒さんに限らず万人に好かれるという事はなかなかできるものでもないですし、正直そうなる必要もないと思います)。
「子どもたちそれぞれが持っている感性に影響してしまうことが怖い」という感覚わかります。若い世代に何かを教えるという事の責任の重さについてはしばしば立ち止まって考えています。
少し大きな話ですが「政治に関心を持たせない教育」というものは短期的には為政者にとっては都合よく国を動かせて便利かもしれないが長期的には国を衰えさせるのだなと最近立て続けに感じました。
一つは都知事選が公示された時。仮にも日本の首都の一番偉い人を決める選挙なのに候補とは全く別の目的での立候補届出が多数出てくるなど酷い有様だったこと。そしてもう一つは円安。最近は1ユーロ170円を超えてしまい(ドルも最近160円超えましたね)日本人はもう気軽にバックパック背負って海外に行けないのか、「えいやっ!」と飛び出すあの一瞬の愛おしさを感じる事ができないのかと学生時代のドイツ(とちょっとフランス、スイス)2週間一人旅や最初の会社を辞めた後のメルボルンでの3ヶ月の滞在など自身の体験を思い出し、ドヨーンとした気持ちになりました。
都知事選そのものも色々と思う事も多く、もし自分がまだ都民だったなら投票しなかったであろう人が当選しましたが、投票率は前回より5%ほど上がったようなのでそれは良かったなと思いました。投票率70%は超えて欲しいなぁと思いますので自分も国政選挙の時は頑張って投票しに行こうと思います(在外投票は国政選挙のみのようです)。
自分の子どもが自分と同じものに関心を持って取り組んでくれる事の嬉しさと大変を知るだけに…という複雑な心境はまだ未経験なのでほとんど分かりませんがもしかしたら生徒さんに「将来本屋になりたい」と言われ時の気持ちに似ているかもしれませんね(即座に「やめといた方がいいと思う」と言ってしまいました)。
子どもや若い人の将来を考える時に、日本という国の未来にあんまり明るい展望が見えないなぁと現状感じますが、そこを打破するための基礎となるものはやはり教育なのではないと改めて思ったりしています。
ちょっと重い話になってしまいました。息子さんが将来実際に絵筆を持つ仕事に就くようになるのかはまだまだ未知ですが、描く事をずーっとずーっと楽しいと思ってくれたらいいですね。「よければ一緒に」なんて感じで親子で同じ事ができたらきっと楽しそう。
そういえば「困難な方を選べ」は岡本太郎をはじめ多くの有名人が口にしていますよね。個人的には成功者バイアスな面もある気がしますが、大変なものを乗り越えた時には確かに自身は大きく成長しますよね。
「困難」といえば個人的には「困難は分割せよ」というルロイ修道士の言葉が好きです。中学の国語の教科書に載っていた『握手』(井上ひさし)というお話の中に出てくる言葉なのですが(デカルトの言葉でもあるようです)。焦らないで一つ一つ片付けていく事。派手ではなく地味な言葉だと思いますし、話そのものもぼんやりとしか覚えていないのにこの言葉だけはずっと覚えていて(あと何か食べてるシーンがあって美味しそう!と思ったのも!何をナイフとフォークで切っていたのか…)、先生の一人にこのルロイ修道士もいるような錯覚すら覚えています。
小泉さんは学校の教科書で印象に残っている事とかありますか?あとそれとは別に好きな言葉とかありますか?
楽しいといえば、こちらでは4年に一度開催されるサッカーの大会ユーロ2024が始まり、連日盛り上がっています。スーパーでは店内をオレンジ色とサッカーボールをあしらったデコレーションにしたり、開催地のドイツに本拠地があるスーパーチェーンでは買い物した人にサッカー選手のカードを配ったりしています。特にサッカー選手のカードは子どもの間で大変盛り上がっていて、うちの子も学校でカードの交換とかしています。
スーパーだけでなく自分の家や車、家の前の通りなどをオレンジやオランダの旗で飾ったりとしているのをあちこちで見かけます。街の方では大型スクリーン用意して放送とかしているようなのですが、近所の人もすぐ前の公園に勝手にスクリーンとスピーカーを持ち出してパブリックビューイング的なことしてたりと個人のバイタリティも半端ないです。ちなみに近所の人の試みは外が明るすぎてスクリーンがほとんど見えず残念ながら上手くいきませんでした。それを見てこれまた近所の何の準備もしてないおじさんが「これじゃあ見えない、LEDスクリーンじゃないからだな。家で見るね」と悪意とか嫌味じゃなくて素直に言ってて「これが言いたいことを言う国オランダ」…。となりました。そういえば僕はこちらにきて1年が経ちました。少しは慣れた…かなぁ…。
なお、オランダは昨晩イングランドと試合をして残念ながら負けてしまいました。上に書いた学生時代のドイツ2週間一人旅の時もユーロ2000がやっててオランダはそこでも準決勝で負けてしまってたなぁなんて事を思い出しました。
この大会の盛り上がりは本当にすごいので欧州に行くならこの時期がおすすめ?(いやでも場所によっては危ないかも?)です。
盛り上がるといえば小泉さんのところにに新しい猫さんがやってきたようでそれはもうちょっとしたお祭り状態ですね。お写真拝見して勝手に悶絶していますのでこれから沢山写真撮って見せてください。
うちの猫も7月1日で我が家に来て4年が経ちましたがまだまだ可愛いです
(というか猫って子猫でもヨボヨボになっても毎日ずっと可愛いの本当に不思議ですよね!)。
今回blogなのをいい事にリンクを沢山つけて遊んでみました。そちらは連日暑いようですのでどうぞご自愛ください。
また、お便り楽しみにしています。