花豆さん。こんにちは。お手紙ありがとうございます。広くなった新居いいですね。快適そう!
窓に差し込む光が作る影の形も素敵だし、コンロの上の換気スペースにハギちゃんが鎮座するのも可愛いポイントが高いですね。(余談:換気スペースといえば我が家のコンロの上に設置されている換気はただ上に換気するだけで外に吐き出されるわけではないという驚きの仕様です。オランダの家では割と良くある仕様みたいですが、一体どうして……)
『パレスチナ あたたかい家 in 松戸』で展示された作品の画像もありがとうございます。本当に色々なトーンで猫(のみならずですが)を描かれますね。実物見てみたいなぁ。
またボルダリング再開何よりです。抵抗をするためにも自分たちが元気じゃないと抵抗るす気力も湧かないと思いますので苦しんでいる人たちがいるのに自分は……。という気持ちもすごく分かりますが自身が元気である事は何より重要で『自分の人生の楽しみも持ちながら、健康を維持しながら、しっかり自分の仕事をして、思い続けて抵抗していければ、と思います。』というのは本当にその通りだと思います。この先何が起こるか分かりませんが、何か自分が行動すれば助けられるという時に自身が元気じゃないのなら動けませんし。
昔『め組の大吾』という消防士の漫画を読んでいた時に消防士が火事などの災害現場から無事に戻ってくるのも要救助者1名救助と同じなんだ。というようなセリフが出てきたのを覚えていますが、今苦しんでいる人がいる中で自分もそこに囚われてしまうと、それは被害者が増えてるだけなのだと思います。被害を少しでも減らしたいと何かしらのアクションをしたいのなら尚更、自身は元気じゃないとと思います。
そういえばボルダリングってつま先などすごい使いますし、靴もキツめのものを履くという印象がありますが爪が剥がれたりしないのですか?ちなみにマラソンは走り方や靴との相性などもあると思いますが僕の場合、しばしば親指の爪が軽く剥がれて爪の下で内出血をして爪が黒くなります。ライデンマラソンでは両足の親指と人差し指の爪がどちらも内出血して黒くなりました。親指はまだどちらも黒いままですが人差し指はようやく生え変わりました。見た目の割に痛みはないので走れたりしてますが親指の爪が真っ黒というランナーの方は結構いるのではないかと密かに思っています。走る方は先日フットサルを新しい靴を履いてやったら靴の締めが甘かったようで靴の中で足がずるっとなって右足首をひねってしまったのでしばらくお休みです。それまでランニングシューズでやっていて怪我しなかったのに安物とはいえちゃんとしたフットサルシューズ履いたのに怪我するなんて!と地味にしおしおとなっています。

そしてご質問のあった「マラソン中に何を考えてるか?」ですが、その日のコンディションによるかなぁ。
個人的な感覚なのですが僕の場合、フルマラソンを最初から最後まで”走って”ゴールできたのってパーソナルベストを出した3時間半切った時くらいしかなくて、この時は『動物のお医者さん』の犬ぞりの回に出てくるシーザーよろしく「オレはやるぜ、オレはやるぜ」という気分で走れましたが、それ以外はどこかしら痛くなったり、しんどくなったりして後半は「なんで走ってんのやろか。とりあえずあそこまで走ろう。そしたら少し歩こう」「あーもう走るの止めたいー、でも止めたらもっと後悔するよなぁ」なんて事をぐるぐる考えながら走っています。ただ前半は「このペースでいけるかなぁどうかなぁ、とりあえずいけるところまで行ってみよう。なんだか気持ちいいなぁ。」と結構ペースとか気にして走ってます。前半は沿道の風景を楽しみながら、後半は沿道の声援を励みに走っている事が多いです。応援はやっぱり嬉しいです。
これが大会とかじゃなくて、ただのジョギングの時などは気の向くまま走るので、あれこれ考えていても最後はほぼ無心で走ってることが多いので、気分がモヤモヤしてる時とか落ち込んだ時こそよく走りに行くように心がけています。
走っていると最初はそのモヤモヤなどがぐるぐる頭の中を駆け巡るのですが、そのうち澱が落ちたようなすっきした気持ちになります。人はそれをランナーズハイとも呼ぶのかもしれませんがそうすると走って、ラリって、ハイ!なだけという説もありますが、それでとりあえず元気なるなら良しとしましょう。お願い、良しとさせて!
コホン、こちらの近況と致しましては6月にはオランダにある日本人学校などが合同で開催する運動会があり、その準備もあってちょっと忙しかったです。またオランダでは6月が卒業のシーズンなのですが、高校を卒業したご家庭では国旗と鞄を掲げて「卒業したぞ!」と周りに知らせる不思議な風習があり、あちこちで国旗(時々違う旗もあります)と鞄を掲げている家を見かけます。僕がオランダに来たのが6月だったのでこの鞄と国旗が掲げられているのを見ると「1年が経ったんだな」と少し感慨深い気持ちになります。
そんでもって今回のタイトル「弁護士」とか出てきて気になりますよね?一体なんなのこれ?となりましたよね?
実はオランダに来て以来、いや下手したら人生で一番大変なトラブルが起きていました。それはオランダの在留資格を更新して「これで後5年は住めるね」と一息つけたと思った6月下旬の出来事でした。全ては大家さんから一通のメールから始まりました。そのメールにはシンプルに「いつ家の鍵返す?」と書いてありました。
えっ?鍵返す?!何のこと?
と慌てて大家さんに連絡したら「家の契約が7月17日で終わるからそれまでに家の鍵を返して欲しい」と言うものでした。動揺しつつも、急ぎ契約書を確認してもそこには12ヶ月住んだ後は永久にそこに住む権利があると書いてあるようだったのでどうして?となっていました。大家さんが言うには12ヶ月経過したタイミングで「まだ長く住みたい?」と聞いた。その時に「長く住みたいよ」と返事くれたよね?そんでその後「確認のメールするわ」と送ったメールに「end of cotract 17/7/2025」と書いてそれにconfirmお願いしたけど「confirm」と返信してくれたよね?そのメールが「契約終了日の同意」なので期日までに出でいってね。との事でした。
ただ、こちらは「長く住みたい」とやりとりした後だったので「契約について確認するタイミング」かな程度の認識でいたし、メールだけで同意書があったわけでも署名したわけでもなく、契約が終了するなんて寝耳にウォーターだし事前の連絡もなしに急に(約3週間以内)出ていってと言われても絶対無理なので少しだけでも期間を伸ばしてもらえないかとお願いしたのですが「メールも法的に効力があるので私にはどうしようもできない。大変だと思うし、申し訳ないと思うけど、この家を早く売らないと税金がかかるので期日までに出ていってほしい」との事で、本当に目の前が真っ暗になりました。
その事を子どものお迎えの際に、パパ友など知り合いなどに話したら「そんな急な通知は絶対おかしい」「オランダでは借主の権利が保護されてるからそんな事はありえない」と言われたりしましたが、その中に「無料法律相談できるところにまず聞いてみてはどうか?」というアドバイスがあったので、すぐにそちらに行くことにしました。そこに相談に行くと「これは弁護士に確認してもらった方がいい。あなた達の収入状況にもよるがここ経由で弁護士を紹介すると金額が補助されるので費用は200ユーロ位で済む」と言われたので紹介してもらって、すぐに弁護士とコンタクトを取って、あれよあれよと事態は弁護士案件となり、弁護士による法的な分析を書いたレポートを出してもらう事になりました。
弁護士からのレポートを待っている間、というか大家さんからメールが来てからは、子どもの通うプールで会うパパ友(担当領域は違うけど弁護士)や大家業もやっているパパ友に相談しつつ、同時に出ていかないといけなくなった時に短期滞在でもできるようにと、知り合いにバカンスでしばらく家を空ける人などいないか?と聞いたり調べたりしていて、何人かにも借主が有利だから大丈夫と言われても「本当にそうだろうか」と気分の浮き沈みが激しい日々を過ごしていました。
そして届いた弁護士からのレポートに書かれいたのが今日のタイトルの言葉でした。なんと署名はなくてもメールの文面だけで法的要件は満たす可能性が高いとの事でした。「じゃあ期日までに出ていかないといけないのか?」とまたしても目の前が真っ暗になったのですが、そこに「一度直接お願いしてみては?」とあったので「もうすでに断られてるのに」とダメもとでお願いする事にしました。案の定断られたので「もう、弁護士役に立たないじゃん!」とまで思ったのですが、今度は弁護士から大家さんに提案として「12月いっぱいまでは延長できないか」という事を投げてもらう事になり、最終的にそちらに同意してくれたので12月までは今の家に住める事になりました。
ただ、今回のトラブルの中でオランダに住み始めた2年の中で繋がった(その多くが子どもから始まってますが)知り合いの皆さんが本当に色々とサポートをしてくれていて、契約書についてみてくれたりとか「近くに空いてそうな物件あるから大家さんに聞いてみるよ」とか「本当に困ったらうちに住んでいいよ」とか言ってくれる人たちばかりでみんなが、みんな暖かくて正直何度も泣いてしまいました。特に隣宅のおばさんは「引越ししないといけないんだ。最悪、後2週間で」と話したら、すごいショックを受けて「大家さんの連絡先知ってるから電話する!」とまで言ってくれただけでなく、実際に電話してくれたようで、それもあって弁護士の提案に同意してくれたのかもしれないと思いました。
あと法律相談でも国籍など一回も聞かれる事なく、弁護士費用の補助が適用されたりと、公的機関の補助を受けてみると〇〇人ファーストなんてとんでもない話で、基本的人権の大切さを骨身に沁みて感じました。
とはいえオランダで一番ストレスフルなイベントである家探しはしないといけないので引き続き大変なのですが(この国では部屋の内見でさえ1週間に1件とかそのくらいの頻度でしか進められません。)とりあえず12月までは住めるので猶予ができて少しほっといています。
前回のお手紙では「オランダ語の勉強をしようかな」と書いていたのですが、家探しの状況を少しでも改善するために、収入を増やす必要があるので平日の仕事を現在探している状況です。
(こちらをご覧の方でお仕事紹介できそうの方がおりましたらぜひご紹介ください!)
その他にもレンブラントの誕生日のあたりに、その時代の衣装を来た人たちがライデンの街をうろうろして芝居をしたり演奏したりするレンブラントデーというイベントががあったり、子どもの学校も1学年が終わって大騒ぎだったり、内見に行った不動産屋さんに袖の下を要求されたり、選挙に行ったりと話題は尽きませんが長くなってしまったので今回はこのへんで。
そういえばメールやチャットの文面がギャルだよね?とこないだ中学生に言われました……。ギャルって…。
追伸
猫を機内持ち込みで運ぶのは日本国内では無理だと思います。日本の法律で認められてないので。なので国際便でも日本のエアラインだと貨物室になります。日本のエアライン内には基本的に日本の法律が適用されるはずなので。
我が家はセナをKLMに乗せましたが、ここでは席の前にケージのまま置くことはOKだけど基本的にケージから出しちゃダメとなっていました。時々、Instagramなどで飛行機のシートの上でくつろぐ猫とか機内をうろうろする猫の投稿とか見かけるのですがそれはまた違う国だからかなと思っています(アメリカ緩め?)