先の見えない時代でも未来は明るく輝いているものであって欲しい(ウエハースより)

花豆さん。お手紙ありがとうございます。誕生日へのお祝いのメッセージもありがとうございます。当日はワンオペ育児から解放されグッタリでした。一応ケーキを食べました。癇癪持ちの子供辛い……(自分が悪いことも親のせいするし……ぐちぐち)

日本の選挙の結果に対する憤りに熱まで出てしまった気持ち。「今」を見るとよくわかります。日本の外から見ていると日本はかなり酷い状況に見えますが、投票日は都内でも雪だったようで本当に大変でしたね。この時期の選挙は今までもほとんどなかったようですし、改めて今の為政者たちの目は国民に向いてないんだなと思ったりします。

幸い僕は今回も在外投票に行く事ができました。準備する時間が短い中、投票期間を設けてくださった大使館の人たちには頭が下がります。在外投票の感じは以前書きましたよね。ただ今回の投票期間中は大使館のあるハーグの一番大きな駅が工事で電車が止まらず……でさらに僕が投票に行った日曜はその次に大きい駅にも電車が止まらない日になっていて(理由は謎です)大使館まで行くのがちょっと大変でした。結局少し離れた駅からトラムやバスを乗り継いで行く羽目になりました。そういえば大田区で不正選挙が発覚しましたが(実際のところあちこちで選挙管理員会による不正な帳尻合わせはしてそうだなぁとそのニュースを見て思いました)、在外投票は大使館のセキュリティーの関係かパスポートチェックも必要になるので不正は少なそうなどど思ったりしました。
選挙絡みで少しだけ書かせていただきますと、議会政治は国民の様々な声を届ける必要があるので議員の数はそれなりに必要で、この人数を少なくすると。結局多数派の意見しか届かなくなる危険があります。小選挙区制は2位以下の人が落ちるので所謂無駄になってしまう票、死票が多いというデメリットがあります。なので今の日本は小選挙区制の他に比例代表制という政党にも投票でき、その票数に応じて政党に議席が確保されるという制度の両方を利用して選挙を行っています。今、国会議員の定数削減の動きが出ているようですが、削減対象となるのが比例代表選挙の方なのは本当に解せません。いや解せない事はなく、今の為政者たちが国民の声を消していきたいという意志を確かな感じて怖くなったりします。今の内閣は自分が参政権を持ってから一番怖い内閣だと感じています。
よく話しているのですが「女性が首相になった」という事自体は大変喜ばしい事だと思うのですが、高市さんがこれまで女性のために何かをしてくれたという事はあまりないように思います。高市さん自身は離婚とかそういう手続きをどうにかこうにかして夫婦別姓で活動しているのに「選択制夫婦別姓」には反対していますし(しかし夫婦別姓に反対する理由のほとんとが「姓が違うと家族としてのまとまりがなくなるから」とかなのに、合法的だろうが別の姓の家庭にしていてご自身の主張する意見からすると家族の絆が危うくなるのではと思うのだけど大丈夫なの?支持者はそれでいいの?と首を傾げざるを得ません)、天皇の臣民として立派に生きろという「教育勅語」を誉めていたりとどうにも古い価値観の中にいる人(それも支持者獲得のためでどこまで本気か?という疑念付きで)という印象を拭えません。

……本当に日本の現状を眺めているととどうにもネガティブな話が多くなってしまいますね。

そうそう政治絡みで言いますと昨年10月に選挙があったオランダは2月にようやく組閣がまとまり、先のお手紙に書きましたとおり30代のロブ・イェッテンが総理大臣になりました。まだまだどうなるかは未知数ですが排外主義のトーンは減るのかなと思っています。ちなみにオランダでは議員はお金を何どう使ったとかきっちり公開されているみたいで日本みたいな裏金議員とかは存在できないようになっているようです。お国が違うと議員に求められる厳しさも変わりますね。
ただ、当たり前ですが保守だろうがリベラルだろうが政治は全員が満足する世界なんてそうそうないので、ずっと批判はされるでしょうし、そうあるべきだと思います。ただ同時に政治というものはなかなか疲れるものなのだなとも思ったりします。国民の不断の努力ですよ本当に。

それにしてもロシアのウクライナ侵攻は続き、イスラエルがガザで虐殺を行い続ける中、今度はイスラエルとアメリカがイランを攻撃したり(その前にはアメリカはベネズエラも攻撃していますね)で世界がどんどん戦争へと進んでいっているのが大変辛いです。しかもその戦争への突入がアメリカはトランプのイスラエルはネタニヤフのゴシップから目を逸らすためというまことしやかな話まで出てきて、戦争は昔も今も「僕らのため」であった事は一度なく、本当に一部の人エゴでしかないのだなと改めて思うとともに、そのエゴを止められない現状に悲しい気持ちになります。第二次世界大戦後に国際法や国連憲章など国際平和に尽力してきた方達の今の気持ちはいかばかりかなどとも思ったりします。今回のイランへのテロ行為についてはアメリカ、イスラエルに対して批判的な国も出てきてますがオランダは消極的な態度に終始しているようですが国内ではFree Palestina同様にデモの動きはあちこちで見られています。それにし日本もアメリカも優秀な人たちは沢山いるはずなのにどうして政治の中枢はあんななのか不思議でなりません。日本は選挙の運営方法も含めて今踏ん張らないと民主制度が維持できなくなりそうな気配がありますよね。詩人の石垣りんのエッセイ『ユーモアの鎖国』の中の一編「眠っているのは私たち」に

”戦争記憶が遠ざかるとき、 戦争がまた 私たちに近づく。 そうでなければ良い。”

という一文がありますが、本当にその通りになってきているように思います。

そろそろ別の話も、という事でいただいたお手紙読み直していたら、クリスマスの話があったので思い出したのですがオランダには所謂サンタさんは来ません(いや家によっては来るか)。それよりも何よりもシンタクラースという聖人が従者のピートと一緒にスペインから船でやってきます。彼らは11月中頃にやってきて12月5日に各家庭にプレゼントを置いて帰っていきます。名前といい行動といいかなりサンタクロースに近いのですが別人なのです。そして毎年シンタクラースのシーズンになると子供ニュースの時間にシンタクラース・ジャーナルという番組が始まり、シンタクラースが帰る日まで放送が続きます。毎年何かしらのトラブルが起きてて、シンタクラースが病気になったり、プレゼントがなくなったりとかで子供達はその5分か10分の番組に首ったけになります(学校でも流す事もあるらしい)。そして上陸の日(土曜日)には主要な港町にシンタクラースが上陸して、しばらく滞在します。テレビでは病気で入院してるとかでも、その日は元気にあちこちに街に複数のシンタクラースが出現して上陸するし、滞在場所もテレビと違うなど大いなる矛盾はあるのですが「テレビで放送される」「実際に上陸する」「滞在もする」に加えて小学校にもやってくるので結構な歳になるまで子供達は信じています。

シンタクラース。馬に乗って上陸後はパレードします。
従者であるピート達が沿道にいる子供達にペーパーノートをむき出しで配ります 
住んでいる街での滞在の様子
学校にやってくる日はピートの仮装をしてみんな外に出てお迎えします。

今年10歳になるうちの子も、プレゼントのリクエストをする手紙を毎年真剣に書いています。上陸してからプレゼントを置いて帰るまでの間も靴に人参を入れておくと夜中にピートがきてお礼にお菓子が入れてくれるという小さなイベントもあるので、玄関先や窓側に靴を置いたり、またスーパーマーケットではペーパークラフトで作れる靴の紙を配布して、子供達が作った紙の靴を置いておくコーナーまで設けられます。そこに置いておくと後日お菓子とかちょっとしたおもちゃがその靴の中に入れられていたりします。特にペーパーノーテン(ペーパーノートとも、pepernoot、pepernoten)と呼ばれるスパイスの効いたクッキーが定番で、この時期になるとあちこちでペーパーノーテンあるいはそれを少しアレンジしたクラウドノーテンを見かけます。どのくらい定番とかいうと上陸の日のパレード中に従者のピートが配って回るお菓子がペーパーノーテン。そしてシンタラースの滞在先に行くともらえるお菓子もペーパーノーテン。なのでお手紙にご質問のあった「クリスマスの定番」とは正確には異なりますが、あえて答えるならこのお菓子かなぁと思ったります。
あと冬の定番はオリボーレンという丸いドーナツみたいなのが定番で屋台が駅前とか街のあちこちに出現して、その場で熱々のを食べるのが大変美味しいです(個人的にはオリボーレンの方が好きです)。

屋台は結構大きいです。
粉砂糖をまぶしてレーズンが入ってるのが定番ですが、中にチョコが入っなどアレンジしてあるものも結構あります。 

そんなわけでオランダの多くの家庭ではクリスマスは家族みんなでご飯を食べる日という感じのようです(欧米でも大体そう見たいですが)。我が家は「オランダにはシンタクラースが来る代わりにサンタは来ない」と説明してクリスマスはそんなに特別な事は特にしていません。
フランスやイタリア、またお隣のドイツではシンタクラースでは来ず、サンタクロースなので同じヨーロッパ内でも風習が結構違ってて面白いです。

ただこういう浮かれた家はよく見かけます

余談ですが我が家も結婚式は人前式でした。場所も公園の中にある美術館に併設されているレストラン。今月末に式を挙げたんでした。もうだいぶ昔の話で懐かしい。

そういえばご子息が卒業なさったそうで。おめでとうございます。一つ肩の荷が降りて、また4月から新しい荷を背負う感じでしょうか?
こちらでも先日、土曜学校の卒業式がありました。昨年度は僕がまだ1年目という事もあり、かつ卒業年度の子達を担任していたこともあり、本当にバタバタで気づいたら終わってたというくらい大変でしたが、今年は2年目でもあり卒業年度の担任でもなかったので少し落ち着いて見送ることが出来ました(とはいえやはり終わったら気が抜けた)。相変わらず「先生」と呼ばれるのにはしっくり来ないし、学校では仕方ないとはいえ、それ以外の場では呼ばれ慣れなくないなぁと思ったりもします。僕が高校を卒業した時に担任が言っていた
「あんた達が卒業したらもう先生じゃないの。歳の離れた友人、知人なの。えっ友人は嫌?いいじゃないの友人でいさせてよ」
という言葉の塩梅さがしみじみよくわかる感じです。若い子達には本当に未来しかなく、それでいいし、そうであって欲しいのですが、反面、僕の方は未来だけを見るには過去も溜まってきているし、未来に無限の広がりを感じているわけにもいかないようになってきていたりする中で見送り続けるというのはある種の寂しさもあるのだなと今更ながら気づきました。数年を過ごした生徒達と卒業を機にその時間が一気になくなり、また新しい子を受け入れ続けていくという事を何年も続けていくのは大変だなと、週に1回程度の時間で悪戦苦闘している自分でさえも思うので一般の学校の先生というのは大変な仕事であるなぁなどと思ったりします。今は良くも悪くもSNSなどがあるからInstagramとかでフォローされていたりとあるのでまた違うかもですが……。ただ本屋をやっていた時から思っていますが10代、20代の方達はまだ「幼いな」とこちらが思っていたとしても、ある時、急に成長していくので、その成長のかたわらに存在する事になるであろう本を勧めるのも、土曜学校で授業をするのも責任重大だなと常に思います。同時に大阪時代に大変お世話になったみつか坊主の斎藤さんの言っていた「若い子といると刺激をもらえる。自分もこのままじゃいけないと思う」というのは本当にそうだなと本屋の5年と土曜学校の2年の日々の中で感じます(ただ学校は時に呆れたり、困惑することも多い。それでもそういう子たちも急に成長するから本当にすごいです)。みつか坊主と惑星のウドンドは美味しいので大阪に行った際にはぜひお立ち寄りください(急に宣伝)。

宣伝といえば小泉さんがイラストを担当されたオランダ語の本、ご献本ありがとうございます。タイトルがまさかの「TSUNDOKU」で驚きました。筆者も日本の方なのかしらん。これを機にオランダ語をもう少し本格的に勉強してみようかと思ったりもしました。今回も猫が添えられてて可愛いですね。小泉さんといえば「猫」ですけどまたぜひ猫以外の絵も精力的に描いてください。でも猫も可愛い。

「TSUNDOKU」は「積ん読」ではなく「積読」ではないか?と思ったり

積読といえば昔「積読入門」という掌編を書いたなぁなんて事を思い出しました。特に話題にもなってませんが小説家としてもデビューされた機械書房岸波さんが以前ブログでちょっとだけ触れてくれていました。機械書房さんといえば好書好日で紹介された回が今でも読んでると胸にくるものがあります。機械書房、いい本屋さんなんで東京の水道橋あたりに行かれた際にはぜひお立ち寄りください(またしても急に宣伝)。

長くなってきたのでそろそろ筆を置こうと思いますがパレスチナの料理というと昔お店でも販売していたザアタルというハーブ系のスパイスを思い出します。あれは美味しいという事は申し上げたいと思います。

ではまた。

セナのお股が禿げてきてた件、タオルで作った簡易エリザベスカラーつけてましたが時々自力で外すし、別の所を舐めてハゲ作ってきてたのでやめました
だた無意味でなかったようで今は少し毛が戻ってます。くつろぐセナ
カラフルな季節になってきました。