ウエハースさん、こんにちは。先日はお手紙をありがとうございました!
こちらはすごく暑くてサウナのように空気がメラメラしています。曇りや雨の日も少しあって、そういう日は32度くらいでも涼しい!と思ってしまうくらいです。地域によっては異常な量の雨が降って災害になるし、令和の米騒動で米不足も心配だし、本気で地球温暖化を危惧しますね……。
急に思い立って、先日新潟県長岡市の姉の家にわたし一人で2泊遊びに行って来たので、その間にのんびりお手紙を書こうかなと思っていたのですが、姉の展示のDMなどを封入れする手伝いをしたり(なぜかよく働きました。笑)、お喋りしたり、夜中に麻雀したりしていたら(ボロ負け!笑)、あっという間に3日間終わってしまいました。でも、家にいると何かと仕事や家事に追われるので、色々忘れてリフレッシュできましたよ。
あまり一人旅とかしたことがないのですが、一人で新幹線や飛行機に乗るのも楽しいですね。松山のerimakiさんで展示したときなどもすごく楽しくて、これからもっとできたらいいな。あ、新幹線に乗るときにちょっとアルコールとおつまみでも持ち込めばよかった! というのだけ、今ちょっと悔やんでいます。(笑)
長岡は雨だったのであまり外出はしていないのですが、小千谷市で開催していた義兄の版画作品の展示を観に連れて行ってもらいました。姉は立体作品やドローイングなどを制作する作家で、義兄は大学で教えながら版画家をしています。家にはギターやらベースやらドラムセットまであって、義兄と甥っ子がギターでセッションしていたのが、音楽や楽器に疎いわが家の環境と違ってすごく印象的でした。実の姉の家とはいえ、家庭にはそれぞれ色があって、急に一人そのなかに入ると自分の家とは全然違う雰囲気を感じて面白いですね。


家族におちくんの写真を送ってもらいました。
さてさて、前回のお手紙、本当に大変なトラブル!で、「わーわー!ぎゃーぎゃー!」思いながら読みました。慣れない土地で、いや慣れた土地だとしても、そうそう弁護士立てるトラブルには見舞われないし、勝手も違うだろうし、大変な不安と焦りだったかと思います。いやー大変! でも、気軽にそのおかげと言っていいのかわかりませんが、パパ友やお知り合い、お隣りさんなど、助けてくれる人がたくさんいて、人に頼れる地盤を築けていた状態でのことで、それは本当によかったですね。根井さんのお人柄も絶対にあったと思います。本気で泣くほどのストレスフルでジェットコースターな日々……大変お疲れ様でした。12月までに無事新居が見つかりますようにー!
そうそう、マラソン中に考えていることについて、お返事をありがとうございました。大会とジョギングでは違うこともあるとのことですが、けっこうぐるぐる考えているものなんですね。澱が落ちる感覚ってちょっとわかります。昔ワンダーフォーゲル部で登山をしていた頃に、急にふっと疲れや息切れなどが飛んで無心で登っている感覚になることありました。あの瞬間って気持ちいいですよね。まさにランナーズハイ。(クライマーズハイ?ってのもあるのかな??) あれが人を走らせたり登らせたりするんでしょうかねぇ。
あ、ボルダリングって爪先を使うし、キツめの靴を履くので爪は大丈夫か?とのことですが、はい!ダメです。わたしは剥がれたりはしていないですが、足の親指の爪、半分死んでます。合わない靴を履いているとなるやつみたいですが、爪が前に伸びなくなって厚くなってしまう症状で、放っておくとやっぱり痛いので、定期的にグラインダーで厚くなった分を削っています。もちろんそんな人ばっかりじゃないですが、何かと手足にトラブルを抱えた人は多いですよ。手で言うと、指をまっすぐ伸ばせなくなったりグーしたときに隙間ができるのでお箸や鉛筆や小銭などが握っても落ちる、という笑い話?的なことも聞きます。(わたしも隙間できてます。)指紋がなくなって指紋認証ができなくなる人もいるし、手の皮はとりあえずいつも剥けています。わたしは常に中指が腫れています。人によっては靭帯断裂や大腿骨骨折など大変な大怪我もします。でもそんな人もやっぱり戻ってきます。そんなふうに生活に多少の支障をきたしても、クライミングをやめられない中毒者はとっても多いです(笑)。ハマる人はハマってしまうものなんでしょうね。……ていうか、手を使うイラストレーターなのに、こんな趣味でごめんなさい! 以前右手中指剥離骨折して包帯巻きながら描いてました、ごめんなさい! でも大目に見て!

そういえば、はこちゃんがわが家に来てから一年が経ちました。引越しが落ち着いたらぜひ遊びに来て! と話していた、はこちゃんの保護主でもある歌人の仁尾智さんご夫妻が、一年になるちょっと前に来てくれました。駅に迎えに行った道すがら「はこちゃん出てくるかな…」と話していて、「とても猫らしい猫だからどうですかね、でもおもちゃとかおやつで釣るとけっこうチョロいですよ〜(笑)」なんて言っていたのに、結局ものすごく警戒してしまって、階段からちょろっと覗いて逃げたまま出てきませんでした……残念。でも仁尾さんご夫妻は「一目見られただけでも」と仰って嬉しそうにしてくださったので、よかったです。こちらで用意した昼食と、仁尾さんが持ってきてくださったお土産のおつまみやケーキを一緒に食べて、飲んで、あれやこれやお喋りして、つかの間でしたがとても楽しかったです。また来てくださいねー仁尾さん。

(※写真は仁尾智さんご提供)
8月15日は日本で言うところの終戦記念日ですね。日本国内では被害の歴史はよく語られるけれど、加害の歴史に関してはあまり語られないというのは、恥ずかしながら最近までわたしはあまり意識できていませんでした。学校の授業でも、加害の方は本当にさらっとだったと記憶しています。死者を「英霊」という言葉で美化したり、日の丸を掲げる意味を軽視したり、先日は参議院選挙で「日本人ファースト」を謳った党が躍進したり、一昨年亡くなった父が生前最近の雰囲気を「戦前」に似ていると言っていたのも思い出しますが、被害も加害の意識も薄れて、戦前の空気感に近づいているようでとても嫌です。
子供の頃、お盆にはよく母の実家に行きました。お盆があり、原爆の日があり、終戦記念日があり、日航ジャンボ機の墜落事故もあり、子供心に8月は「死」や「魂」を強く感じる月でした。祖母の家の上空を飛ぶ飛行機のコ゚ーーーッという音が、テレビで観た空襲のドラマと重なって怖くて不安になったのを思い出します。
今年は戦後80年という節目と戦争体験者の減少が危惧されているせいか、テレビで戦争の特集を観る機会が多いような気がしています。もちろん、少しでも戦争を身近に感じられるような被害を描いた特集も必要ですが、メディアにはぜひ加害の歴史も報道してほしいし、教育でももっと触れるべきだと思います。
どうか日本の「戦後」が未来永劫「戦後」であり続けますように。今ある戦争が一刻も早く「戦後」に、各地の虐殺が一刻も早く止められ、不当な占領から解放され、復興に尽力できるようになりますように。わたしもできることをこつこつ続けていければと思います。
そんな今年の夏です。今日も暑くなりそうです。
根井さんも暑さに負けないように、お体にお気をつけて!

とっても暑い!
