花豆さんこんにちは。そちらは気温が上がってきてビールと共に花豆ぼりぼりが一層美味しく感じられる時節になりましたでしょうか?
こちらは僕がマラソンを走った日は25度くらいまで上がって2年連続苦行と化してしまいましたが、翌週には最高気温が11度位まで下がったりと変化が大きく、自然と脱ぎ着しやすい服装になっています(ここ数日は15度くらいの気温です)。
さてお手紙で触れられていた1年ぶりのフルマラソンですが、おかげさまで無事完走できました。昨年より走り込むことができていたので完走はできるだろうと思って臨んでいましたが、完走後のダメージは何故か昨年よりも大きく、足がパンパンに張りすぎて、疲れているのに座り込むことが出来ないくらいでした(ももが痛くてしゃがめない)。椅子に座るのでさえ「おっふぉふぉ」みたいな変な声が出てしまう状況で、正直「これが老化……」となりました。
昨年は「ヘルニア回復からのフルマラソン完走」が目標でしたが、今年は「40代でもフルマラソン4時間以内で完走」を目標にしていました。んが、結果は4時間13秒で達成できず……。途中でポーチの紐が切れて携帯とか拾うハメにならなかったら…、とか救急車の通過待ちで足止めされなかったら…、とか思う部分もあるのですが、そんな事も含めてレースとして4時間以内にゴールできなかったので、この目標は持ち越しにして40代のうちに達成したいと思います。
今年はスタートすぐ位に「今日の調子はどうだい?目標タイムはどのくらい?」と知らないランナーさんに話しかけられたのですが、その人は終盤とゴール後にも話しかけてきてくれて、ゴールの後の時には「完走したね!おめでとう!」と言ってくれたりしました。僕はその時、目標が4時間以内のゴールだったので「今回目標に到達してないからあんまり嬉しくない」(それに今すげーしんどいし)と息も絶え絶えに返したら、彼は「そうか……。でも無事に完走したしいいじゃん。僕はハッピーさ!」と言われて、その時はしんどすぎてうまく反応できなかったのですが少し回復してきたら「そうだなぁ」と思えることが出来て、彼のおかげでがっかりしんどい走後感から少しスッキリした感覚になりました。そんな感じでこちらの大会は割とみんなフランクに話しかけてくる印象があります。
あと後日、子供が通う学校のパパ友さんからも「記録見たよ。すごいじゃん。」とか言われてえへらえへらしてました(割と単純)
ただ冒頭にも書いた通りライデンマラソンは2年連続で25度超えて、暑すぎなので来年はエントリーするにしてもハーフマラソンで十分かなと思っています。フルマラソンをするには暑すぎました。昨年も今年も救急車走り過ぎですわ(多分参加者が倒れてる)。とはいえ住んでる街がランナー一色になる風景はそれなりに愉快でいいものだなと思います。東京みたいに大きな街ではないので、ひとたびイベントがあると街が一体になる感覚があります。
さて、小泉家の引越し大変お疲れ様でした。引越し大変ですよね。家に収納がある限り、そこには何故か物が溜まっていくので、引越しとかのタイミングでよくわからないものが出土したりしますよね。僕の友人の実家には車庫も兼ねたでかい倉庫があるのですが、以前、車に乗せてもらうためにその倉庫の中に入ったら、変な看板やら何かの部品っぽいものやら蜘蛛の巣が張った子供用の自転車やらが脈絡もなくごちゃごちゃと転がってて、カオスだったのを思い出しました。
僕の場合、親が転勤族だった事もあり、引っ越しのタイミングで物を整理するという機会が多く、大変ながらもそれなりに慣れている部分もあったりします(ただしうちの親父は全然捨てない……)。引っ越しは、えいや!と捨てたもののことをふとした折に思い出して「あれも捨ててしまったのか」と寂しくなったり、ちょっと後悔を覚えたりしてしまう時もある一方でスッキリ心機一転という気持ちも持てたりしませんか?
海外への引越しは国内と違って通関とかの関係があったりで、すぐに届かない前提で荷物を運ばないといけないのと国ごとに対応が異なり、未知度の高いものになるためなかなか大変でしたが、幸い我が家は、いくつか日本に置いておくことも出来たので、当座必要なものをスーツケースに頑張って入れて、その他の家族3人分を単身海外パックみたいな一人分を想定した分量で船便で運びました(その中に「ドラえもん」全巻とか入ってました)。
またご存知のように我が家はセナ(猫)を一緒に連れて行ったので、狂犬病予防接種2回に抗体検査やヨーロッパに持ち込むための書類の準備など、することが結構ありました。うちの子は病院で激しく抵抗し暴れるのでそういう部分では少し大変でした。とはいえ準備しないとけないことは空港の検疫所に事前に問い合わせると、丁寧に教えてくれるので慌てたり混乱したりする事はありませんでした。
(※空港の検疫所はフライトが決まっているなら、出発する空港にある検疫所に問い合わせる必要があります。出発日の予約も必要なので。またどうしても準備には時間がかかるので早めに問い合わせるほうが絶対にいいです。)
個人的には猫を一緒に連れて行く事を躊躇なく検討できたのには『世界を旅する黒猫ノロ』を読んでいたからというのも結構大きかったです。というのも我が家は前述の通り、転勤族だったのですが僕が小学生の頃、東京から福岡に引っ越しをする時、当時一緒に暮らしていた猫(ムク)も当然連れて行ったのですが、東京から福岡のフライトの間、貨物室に入れられた猫を空港で引き取ったら、完全に挙動不審な状態で、そのままペットホテルに預けたら翌日茫然自失状態になった姿での再会となり、それはそれは大変なショックでした。なのでそれ以来、猫を飛行機の貨物室入れるのは猫にとって大変という思いがあったので、この本を読んで「猫って機内持ち込みできるんだ!」と知れたのは本当に良かったです。ちなみにムクはその後も福岡から東京に戻る際にもまた飛行機に乗ったのですが、この時は動揺はあったものの、ペットホテルとかではなく、その日のうちに一緒に家に連れて帰ることが出来たこともあって、そこまで酷いことにはなりませんでした。こちらの経験もあったので検疫とかの手続きミスって数日間どこかに預けないといけない状況になる事だけは絶対に避けなくてはいけないという気持ちで臨んでました。
そうやって手続きなど順調に済んだのですが肝心のフライトは直行便だったのに何故かソウル経由で(直行便とは…)ソウルの空港で改めてセキュリティーチェックをしないといけなくなり、その際にセナを入れてるキャリーバッグもX線検査をしなくてはならなくなりました(成田ではそこまで求められなかった)。さすがに猫も一緒にX線にかけたくなかったので、その瞬間だけカゴから出す羽目になりましたが、これがなかなか大変でした。とはいえ機内持ち込みは常にセナの様子を見ることができたし、セナもこちらがいる事をわかっていてくれたのでパニックになる事はなくオランダまで来ることが出来たので貨物室より断然機内持ち込みだと思いました。
こちらの引越しの話が思いもかけず長くなってしまいましたが、新居での生活、そして新しい土地での生活。トラブルもあるかと思いますが、それよりも楽しいこと、嬉しいことがたくさん起きますよう祈念しております。そのうち遊びに行きたいです。
こちらは前回お手紙を送った後も結構色々なイベントがありました。4月末にはオランダの国王の誕生日(Kings Day)の祝日があり、その日は風車もオランダの国旗カラーになったり、街ゆく人もオレンジの服を着て騒いでいたりしました。
Kings Dayはほとんどのお店がお休みになるので代わりに蚤の市が街のあちこちで開かれます。
その他にも5月4日は慰霊の日ということで第二次世界大戦以降の戦争、紛争で亡くなった人の慰霊のセレモニーが各町で行われ、家の近所にある戦没者の記念碑の前の道路を封鎖して軍のマーチ隊が演奏と国旗(他の国の国旗もあるようでした)を掲げてセレモニーを行ってました。その日の夜8時には黙祷の時間が設けられました。テレビでは首都であるアムステルダムでのセレモニーの様子が流れていましたが、僕の街でもやっていたように慰霊碑があるところではどこでもやっていたのではないかと思います。群馬では関東大震災で犠牲となった朝鮮の人たちの慰霊碑を撤去するなんて出来事がありましたが、慰霊碑をなくすということはセレモニーをする場の力を弱める事にもなり、歴史が埋もれてしまう事への危惧を実感として覚えました。
その翌5月5日は戦争が終わった日(オランダがナチスの占領から解放された日)なので解放記念日ということで打って変わってお祭りムードでした。
近所のショッピングモールでは屋台が立ち並び、人が詰めかけ、ルナパークなどもできてました。以前のお手紙で書きましたがライデンでは「解放記念日」というと10月3日を指し、そちらの方が盛り上がりはすごいですがこちらもこちらで結局のところ街は浮かれてました。
その他、我が家の話では再び別の猫を預かることになり、多頭飼いの多幸感に浸る日々もありました。校正の仕事をされておられる牟田都子さんのInstagramで猫は2匹いるとアー写っぽく映る事がある事を知りましたが、そう言われてみるとこの2匹も時々アー写っぽいポジションどりをしていたりしました。小泉さんも期せずして猫アー写撮れたりしますか?
牟田さんに「アルバム感高い(セカンドくらいの)」とご講評いただいたアー写もどき
アー写ではないがトイレの最中にガン見されるセナ
前回「次回は本の話でも」と書きましたがすでに結構な長さになってしまったので、それはまたにしようかなと思います。『優しい暴力の時代』(チョン・イヒョン)『違国日記』(ヤマシタトモコ)がここ最近読んだ中では特に素晴らしかったです。という事だけ一応添えておきます。
その他にもデンマークに初めて行ったなどありますがそれもまた機会があれば。ではまた。
追伸
5月18日に電車で出かけた際、隣のホームで赤い服を着た人たちをたくさん見かけたのですが、どうやらすぐ近くの都会ハーグでのデモの参加者だったようです。老若男女いて、行きも帰りも見かけたのですが皆、平和そうな顔で日常の延長に確かにプロテストをするという行為があるのだなと感じました。
アルジャジーラの記事見つけましたがリンク先に掲載されている写真でもわかるように赤ちゃん連れの人とか年配のご夫婦とかも結構見かけました。Tens of thousands march in the Netherlands to protest against Gaza genocide